Agisoft Metashape(旧photoscan)  基本的な操作・データ処理~任意座標 Ver.~

更新日:2020年5月18日

Metashapeを使用し実際の点群データを作成するフローを説明します。

※phantom4RTK・D-RTK を使用した操作・データ処理方法はこちらをご覧ください。

まず初めに

■アクティベートとディアクティベート

Metashapeを使用するときに、ライセンスの認証を求められます。ライセンスを認証することを「アクティベート」、ライセンスを解除することを「ディアクティベート」と言います。

使用するときにアクティベート、使用が終わったらディアクティベートしてからPCを閉じるようにしましょう!

①アクティベート方法

Metashapeを開くとアクティベートするよう求められますので、計20桁(4桁-4桁-4桁-4桁-4桁)を入力し、「OK」を押します。

認証が完了すると、下記画面が出ますのでアクティベート完了です!

②ディアクティベート方法

Metashapeを終了するときは、ディアクティベートをしましょう。
まず、「ヘルプ」から「製品のアクティベート…」をクリックしてください。

アクティベーション画面が出ますので「ディアクティベートする…」をクリック。

確認画面が出ますので「はい」をクリック。

正常に完了しました、の画面が出たら「OK」でディアクティベート完了です!

1.測量データ写真の読み込み

①写真の読み込み

UAVで撮影した写真を読み込むには、ワークフローメニューから「写真を追加…」コマンドを選択するか、ワークスペースツールバーにある写真の追加ボタンをクリックします。処理するファイルをすべて選択し、「開く」ボタンで読み込みましょう。

EXIFメタデータが利用可能であれば「座標データパネル」にあるImport EXIFボタンを使用してカメラ位置情報をロードすることも可。(通常、写真を読み込んだ時点で反映されます)

②モデルビューでの確認

写真を読み込むと、カメラの位置は、モデルビューでその地理座標を使用してマークされます。有効なカメラ座標がインポートされていてもモデルビューに何も表示されない場合は、ツールバーのカメラ表示ボタンがONになっていることを確認してください。  

2.カメラキャリブレーションの値を確認

Metashapeは、カメラのアラインメントおよび最適化ステップ中に、EXIFの値に基づいて固有のカメラパラメータを推定します。「カメラキャリブレーション」ウィンドウにおいてピクセルサイズおよび焦点距離が欠けている場合は、カメラおよびレンズの仕様に従って手動で入力することができます。

①カメラキャリブレーションの値の確認

カメラキャリブレーションの値を確認するには、ツールメニューの「カメラキャリブレーション…」をクリックします。

事前にカメラキャリブレーションされたカメラを使用している場合、ウィンドウ内のロードボタンを使用して、サポートされているフォーマットでカメラキャリブレーションデータをロードすることができます。

②キャリブレーション値の固定

キャリブレーションデータをロードした後、処理中にMetashapeによって事前較正された値が変更されないようにするには「キャリブレーション値を固定」する必要があります。

固定パラメータ「選択」から、「すべてチェック」にチェックを入れ「OK」。

キャリブレーション値の固定完了です。
また、メカニカルシャッターではないカメラでは、「ローリングシャッターをフィット」が推奨されています。
使用しているカメラのシャッター種類に応じて「ローリングシャッター補正を有効化」の設定してください。

※DJI Phantom4 Proはメカニカルシャッタになり、ローリングシャッタ効果は抑えられたので、OFF。Phantom4までは、電子シャッターですので、ONにしてください。

3.点群の作成

続いて、点群の生成を行いましょう。

写真のアライメント

①写真のアライメント実行  

「ワークフロー」メニューの「写真のアライメント(A)…」をクリック。

下記のように設定します。

  • 精度:高
  • 汎用事前選択:チェックあり
  • 座標事前選択:チェックあり
  • キーポイント制限:0
  • タイポイント制限:2,000
  • 静止したタイポイントを除外:チェックあり
  • カメラモデルのパラメーターを可変させる:チェックあり

キーポイント制限は特徴点の上限、タイポイント制限はマッチングポイントの上限です。
「静止したタイポイントを除外」の項目がない場合は、カメラモデルのパラメーターを可変のみチェックでOKです。

設定しましたら、OKで写真のアライメント開始です。
進捗ダイアログボックスが表示されますので、途中で止めたいときはキャンセルを押しましょう。

写真のアライメントが完了すると、モデルビューが下記のように表示されます。
マウスで動かせますので動かしながら確認をしてみましょう。

高密度クラウド構築

①高密度クラウドの構築 

「ワークフロー」メニューの「高密度クラウド構築(D)…」をクリックします。

下記のように設定します。

  • 品質:高
  • 深度フィルタ:強
  • 頂点カラーを計算:チェックあり

設定しましたら、OKで高密度クラウド構築の開始です。
進捗ダイアログボックスが表示されますので、途中で止めたいときはキャンセル。

高密度クラウド構築が完了すると、モデルビューが下記のように表示されます。
写真のアライメント後よりもモデルデータがより濃く作成されています。

点群の作成手順はこれで完了です。

【バッチ処理】

写真のアライメントと高密度クラウドはあらかじめ用意した設定のバッチファイルを利用して一連で作業を行うことが可能です。

①バッチ処理データの作成

「ワークフロー」から「バッチ処理」選択し、各種処理の設定を決め保存します。
処理の設定を決めて保存しておくことで、一連の作業を自動で行えるため、長時間PCから離れられます。
※設定を決めるだけなので、異なるデータの処理でも使用可能です。

一連して行いたい作業を選択し、設定します。
今回は写真のアライメントと高密度クラウド構築を行うのでジョブタイプで選択、プロパティで設定を決めて保存します。   

【写真のアライメント パラメーター】
 ●一般
   ・精度         ・・・・・   高
   ・汎用事前選択     ・・・・・   はい
   ・座標事前選択     ・・・・・   ソース
   ・現在のアライメントをリセット  ・・・・・   いいえ
   
 ●詳細
   ・キーポイント制限   ・・・・・   0
   ・タイポイント制限   ・・・・・   2,000
   ・マスク適用先     ・・・・・   無し
   ・静止したタイポイントを
    除外         ・・・・・   はい
   ・ガイド付き
    イメージマッチング  ・・・・・   いいえ
   ・カメラモデルの
    パラメータを可変させる・・・・・   はい

高密度クラウド構築パラメーター】
 ●一般
   ・品質        ・・・・・   高
     
 ●詳細
   ・深度フィルタ    ・・・・・   強
   ・深度マップの再利用 ・・・・・   はい
   ・頂点カラーを計算  ・・・・・   はい
   ・ポイントの
    信頼度を計算    ・・・・・   いいえ

保存マークから名前を付けて保存。【MetaShapeバッチ処理.xml】が保存されたらOKです。

②バッチ処理の実行

「ワークフロー」から「バッチ処理」選択し、保存してある【MetaShapeバッチ処理.xml】のファイルを読み込み「実行」すると一連で作業が行われます。

4.カメラ位置のチェック外し

マーカー設置を行う前に、カメラ位置のチェック外しを行いましょう。
標定点の場合は、後ほど手入力するマーカー座標を使用しますので、カメラの座標データは必要ありません。
カメラの座標データが残っていることで、処理する時にカメラの座標データに引っ張られてしまうため
事前にチェックを外しカメラ位置をクリアにします。

①カメラ位置のクリア 

座標データ「カメラ」の中の取り込んだ写真をすべて選択し右クリックします。
下から3番目にある「チェックを外す」を選択し、すべてチェックが外れたらOKです。

5.マーカー設置

①手動でマーカーを設置する

写真ウインドウから写真の一つを開き、映っている対空標識の上の中心にマーカーを設置します。

マーカーを設置する対空標マーカーを設置する対空標識の上で右クリック、「マーカーを配置」で新規の場合は「新規マーカー」を、既存マーカーの場合は該当するマーカーを選択して設置完了となります。

マーカーは出来るだけ対空標識の真ん中に設置するようにしましょう!
※ズレが大きいと精度が落ちます。

マーカーを設置すると、写真(サムネイル)の右上に緑色の旗がつきます。

また、同じ対空標識が映っていると判断された写真の上に灰色の旗がつきますが、灰色の旗はマーカー未確定の状態となるため、マーカーとして使用する場合は手動で確定して緑の旗にします。

②マーカーの精査

マーカーの自動検出後、マーカーがしっかり対空標識の真ん中に設置されているか、または、写真の対空標識が歪んでいないかを確認し、写真1枚当たり2~3個のマーカーに精査します。
対空標識の真ん中が特定できないものも旗は灰色のまま、もしくはマーカー削除でOKです。

※1枚の写真に対して、マーカーが多すぎても精度が出ないため、より中心に設置されたマーカー2~3個を残します。

③マーカーの精度の確認

モデルビューから確認したいマーカーの上で右クリック、「情報表示…」をクリックします。

下図のように

  • マーカーに対して何枚の写真の対空標識が有効なマーカーとされているのか
  • それぞれのマーカーの誤差(中心からどれだけズレているのか)
  • マーカー合計の誤差

上記3点が確認できますので、誤差が大きいものを②の方法でマーカー削除し、誤差が少ない状態にします。
マーカーの精査をし2~3枚まで絞っても誤差が大きいものは、マーカーの位置をより中心に移動しましょう。

使用する対空標識の数だけ①~③を繰り返し、マーカーの追加・精査を行います。

情報表示の下の方にあるフィルタリングを使用するとマーカー設置された対空標識が映っている写真だけを写真パネル内に表示することが可能です!

処理を進めやすい方法を試してみて下さい。 

6.マーカー情報入力

設置したマーカーに情報を入力していきましょう。

①座標設定の変更

座標データの下に並んでいるアイコンの一番右側にある設定(スパナアイコン)をクリックします。

座標設定ウインドウが開くので、座標系プルダウンから「Local Coordinates」を選択しOK。

マーカーの座標が「経度、緯度」から「X(m)、Y(m)」に変わります。

②各マーカーの情報入力

座標データ内にある「マーカー」スペースに座標データを直接入力していきます。Metashapeは数学座標表記のため、XとYを入れ替えて入力してください。

  • X(m):測量座標のYを入力
  • Y(m):測量座標のXを入力
  • Z(m):測量座標のZを入力

入力が完了したら座標データ下のアイコン、中央付近にある「更新(矢印が回ったアイコン)」をクリック。

更新アイコンクリックで入力したマーカーの座標がモデルに反映されます。

※この時、マーカーの配置された位置と、入力された座標のズレが大きいと、誤差(m)の値が大きくなります。
また、モデルが不自然に傾いたり、ひっくり返ってしまったりするので、座標の入れ直しや確認をしましょう。

7.検証点の選択

①検証点にするマーカーの選択 

検証点にするマーカーのみ、左にあるチェックを外します。

画像は例ですので、実際に検証点にするマーカーのチェックを外してください。

phantom4RTKの場合(ページ参照)は写真の座標データを使用するためクリアにせず、マーカーのチェックをすべて外します。

入力が完了したら座標データ下のアイコン、中央付近にある「更新(矢印が回ったアイコン)」をクリック。

データの形状などを確認し問題がなければ点群出力を行いましょう!

8.点群出力

点群出力方法を説明いたします。
点群処理ソフトでデータ読込・処理を行うために、点群での出力をしましょう。

①出力するファイルを選択~txtの場合~

ファイルタブの「エクスポート」の中から「ポイントをエクスポート…」をクリックし、ファイルの種類を『XYZ Point Cloud (*.txt)』にして名前を付けて保存をクリックしましょう。

エクスポートする際の形式各種点群ソフトによって異なりますので、対応している形式か確認しましょう!txt./LAS/LAZなど形式は様々です。 

②条件の選択

条件選択画面が出てきますので下記条件に設定します。

  • 座標系:Local Coordinates
  • シフト:すべて「0」
  • ソースデータ:高密度クラウド
  • ポイントクラス:全て
  • ポイントのカラーを保存:チェックあり
  • ポイントの法線を保存:チェックあり
  • 色を8bitRGBに変換:チェックあり

条件設定が完了したら「OK」を押して、点群txt出力を行いましょう。保存されたTEXTデータを点群編集ソフトで読み込んで編集してください。

出力データは「X、Y、Z、R、G、B、?、?、?」で並んでいます。
X,Yは数学座標のため、測量座標を扱うLandFormsではX,Yを入れ替えて取り込む必要があります。

またLandForms、TREND-POINT等では、デフォルトの取り込み形式が
「X、Y、Z、受光強度、R、G、B」のため取り込み形式を変更する必要があります。

点群txtデータを取り込むソフトが、数学座標なのか測量座標なのか、
また、取り込み形式はどうなっているのか確認した上で、正しい形で取り込み処理を行いましょう。 

9.レポート出力

Metashape で作成したデータはレポートとして出力することが可能です。

条件の選択

ファイルタブの「エクスポート」の中からレポート」をクリックし、名前を付けて保存しましょう。

レポートを出力すると作成したデータに関する標高モデルや調査データ、カメラキャリブレーション、地上基準点の誤差や各マーカーの細かい誤差など、表で確認することができます。

以上、Metashapeの基本的な操作・データ処理でした。

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