UAVとは

更新日:2020年8月4日

【UAV】

●UAVとは

Unmanned Aerial Vehicleの略で、人間が乗らず、コンピュータによる自動操縦、もしくは遠隔操作で飛行する航空機、つまり無人航空機のことです。ドローンとも呼ばれます。

ドローンには2つ種類があります。
①羽が固定されている「固定翼型ドローン」
②羽がプロペラになっている「マルチコプター型ドローン」

よく目にするもの、測量で使用されるのは羽がプロペラになっている「マルチコプター型ドローン」です。

【UAV測量】

●UAV測量とは

UAV(ドローン)を使用した測量のことで、UAVで撮影した空中写真を用いて測量を行います。

公共測量なのか現況を取るだけなのか、精度はどのくらいなのか、どの機器をしようするのかによって必要な人員や手順も変わってきます。

●UAV測量の主な流れ

上記は、国土地理院の「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」に沿ったUAVによる空中写真測量を行うときの手順(流れ)です。

一つ前でも述べたように、公共測量なのか、精度はどのくらい必要なのか、機器は何を使うのかなどによって手順も変わってくるため、一つの例として国土地理院のマニュアルに沿った流れを載せています。

●UAV測量に必要なもの

UAV測量を行うために必要な機材です。
こちらも測量を行う目的によって異なりますので、上記流れで行う際に必要な機材を載せておきます。

  ①UAV本体
  ②対空標識
  ③点群生成ソフト(SFMソフト)
  ④点群処理ソフト
  ⑤3次元設計データ作成ソフト
  ⑥出来形帳票作成ソフト
  ⑦出来高算出ソフト

※④~⑦はUAV測量だけではなく、TLS(地上レーザースキャナ)で3次元測量を行うときに必要な機材でもあります。

◆対空標識

※上記は商品の一部です※

UAV測量を行う際に、あらかじめ正確な座標が判明しているポイント「標定点」と、完成した点群で測量した座標が正確かどうかを検証する「検証点」が必要になります。

その「標定点」「検証点」を写真の中から識別できるようにするために、それぞれの座標の上に設置するものが「対空標識」です。

◆点群生成ソフト(SFMソフト)

※上記は商品の一部です※

SFMはStructure from Motionの略で、UAVなどで撮影された視点の異なる複数の写真から三次元データを生成する写真解析ソフトのことです。

解析し三次元データ(点群データ)を作成することで、座標情報などを出すこともできます。

◆点群処理ソフト

※上記は商品の一部です※

UAVや3Dスキャナで測量・取得した点群データを処理・解析するソフトです。

各社ソフトによって可能なことは異なりますが、フィルターによる点群データの加工や解析、断面の作成、度量計算、ヒートマップ表示など、様々な機能で現場の3D化を実現。管理・処理・分析など総合的かつ直感的に行うことができます。

◆3次元設計・3次元施工データ作成ソフト

※上記は商品の一部です※

点群処理ソフト同様で、各社ソフトによって機能は少々異なります。

工事に必要な測量計算、CAD、出来形・写真・品質管理、電子納品などがパッケージされたソフトや、3D施工データ要素を自動・半自動で解析・抽出し「使える3D施工データ」を作成するソフトなど様々な機能を持ち合わせています。

各種データ(2次元平面図・計画データ・地形データ・2次元横断図)を取り込み施工手順や現場の見える化、i-Constructionで必要不可欠な3次元設計データの作成から日々の施工管理など、現場の生産性向上をサポートしてくれるソフトです。

【UAV測量のメリットとデメリット】

●メリット

①広範囲の撮影が簡単・時短

地上で行う場合は、機械を設置しなおしたり、移動したりと測量以外にかかる時間があり、かつ広い範囲であればあるほど時間がかかりますが、UAV測量は上空から写真を撮ることで測量を行うため、広い範囲でも短い撮影時間で測量を行えるため、大幅に時間短縮が可能です!

②人の立ち入りが難しい場所の測量が可能

土砂崩れが起きた現場や河川の奥のほうなど、人の立ち入りがなかなか難しい現場でもUAV測量を行うことで測量することが可能です。

災害現場での測量はとても重要ですが、測量を行うにも足場が崩れやすく二次災害につながってしまう危険性もありました。しかし、UAV測量の場合は、実際に災害が起きた場所から離れたところから、UAVを離陸させ測量することが可能なため、安全に測量を行うことができます。
河川の奥の方も同様です。無理に川を渡ったり入る必要が無いので安全かつスムーズに行えます。

③小さく軽いので持ち運びしやすい

スキャナーに比べるとドローンは小さく軽いので持ち運びがしやすいです。
また、三脚などの設置するために必要な機材も他に必要ないので、最小限の荷物で済みます。

④現場の作業を止めずに測量ができる

上空から測量するので、現場の業務を無理に止めずに測量を行うことができます。

トラックや重機など、多少動いていても問題はありません。
後処理の際に、「ノイズ」として残ってしまうので無い方が処理は楽ですが、ノイズは後処理で消去することができるので、そこまで問題ではありません。

※ノイズ…不要なデータのこと

⑤従来の手法よりもトータルコストが安い

初期導入費用はもちろんかかりますが、作業にかかる人数や日数などトータルで考えたときに、UAV測量はトータルコストが安く収まります。

作業にかかる人数や日数が多ければ多いほど、人件費など経費ももちろん掛かります。できるだけ最小の人数で、そして短時間で測量が行えれば、今まで測量にかかっていた人や時間、経費をほかの業務に当てることが出来るようになるため、今までに比べて業務効率が断然UPすると言えるでしょう。

●デメリット

①森林や山などが苦手

上空からの撮影になるため、山や森林などは木が写ってしまいます。木が写っても問題ない部分であればよいですが、木の下の地面を写すことはできません。

このような場合はレーザーを使用するか、地上でスキャナを使用して測量をするのが良いでしょう。

②フライト時間に制限がある

多くのドローンはバッテリー搭載型のため、フライト時間に限りがあります。そのため、替えのバッテリーを用意しておくことが大切です。

コメントを残す